2005-01-01から1年間の記事一覧

無言

毎日さむいです。今日は雪が降りました。生まれたばかりの彼女の人生にとって初雪のようです。しかし僕の心にまでは届きませんでした。僕の心は重ねた服の奥にあるしわしわの皮膚のさらに奥、ぐちゃぐちゃとした内蔵の奥、膵臓の陰に隠れてそのまま縮こまり…

小春日和

雑誌「倫敦」を読んでいる。ロンドン、ロンドン、ロンドンコーリング。だがしかしここはロンドンではなく、南半球の何処かの田舎。小さな駅のすぐ前には河が在る。白いような薄緑いような河だ。僕の昔の記憶のように濁っている。中村雅俊は、兄として、叔父…

this broken heart

切ない夢を見た。真っ暗闇の夜の中、無限に広がるスタンドの敷地内で、給油機がデタラメな位置に乱立して数字を発光している。僕はそこら辺でタオルを集めて洗ったりたたんだりして黙々と働いていた。 仕事が終わり、そのまま社員と旅行することになり、山の…

喪失

朝、友人を銀行に送っていく時、道の傍らにこんな標語があった。 「万引きは 物は手に入れても 自分の心は失う」 中学三年手塚某さんの作った標語である。掲げたのは別の人だろう。 この手塚某さんは、万引きをやったことはあるのだろうか。やったことがある…

病気で寿

病院の一室で、健康のありがたみを叫ぶ 気球に乗った直後、降ろしてくれと叫ぶ でんでん虫を踏んでから、ごめんと叫ぶ 寿司を食べながら、寿司食いたいと叫ぶ

無印の他の人たちと同じように、自分もまた、特定のあなた等から見下げ果てられるというような、究極の挫折を味わう可能性があるということを微塵とも考慮できず、何時までも調子よく楽観したままで、余裕をこいて、馬鹿みたい、な雰囲気を纏ってしまってい…

「なぜ人は人を殺してはいけないの?」と疑問を投げかける人に対し、その人を心底納得させる答えはこの世のどこにも存在しない。頭を捻りこの上なく整然とした理屈をいくつ並べ建てたところで徒労に終わること間違いなし。そもそも当初の問いからして意味が…

タンス

友人の家に遊びに行って、どこやかし探索していたら、タンスの引き出しや戸棚やその他いろんな場所からぞろぞろと犬や猫が出てきた。その中にはとてもチッコいのが何匹かいて手の平サイズでみゃーみゃーと鳴いていた。ものすごく変わった形の猫もいて、胴体…