無言

毎日さむいです。今日は雪が降りました。生まれたばかりの彼女の人生にとって初雪のようです。しかし僕の心にまでは届きませんでした。僕の心は重ねた服の奥にあるしわしわの皮膚のさらに奥、ぐちゃぐちゃとした内蔵の奥、膵臓の陰に隠れてそのまま縮こまり黒ずんでいるのです。雪たちはそれを洗わんと欲し、わざわざ舞い降りて来てくれたのですが、残念ながらその願いは叶わず、ずしゃずしゃと無駄死にいたしました。天の意思がどういうものであろうと余計なお世話というもので、僕が欲した時にだけそっと手を差し伸べていただければ良い。