ベーコン

時間はいつも壁にはりついている…わけではない。あれは時計なのだった。あれはただ時間というものの一面をのぞかせるのぞき穴に過ぎない。僕は時間のようになりたい…と本気で思っているわけではないが、あれだけ人を心酔させておきながら、自らの気配を消して実は着々と歩みを進めている二面性には憧れてしまう。僕はもう眠らなければならないし、今さら時間についてごちゃごちゃ文句もないけれど、何かを説明するために順序が必要だっただけだ。ただ、何かを説明する必要はなかったのかもしれない。

時間の二面性は、現実と夢である。僕はその間を自由に行き来して貿易をしたかったのだが、そんなに簡単でもなかった。ところが不可能なわけでもないので、そこら辺が頑張りどころである。難しいのは、現実と夢はその境界線がはっきりとしていないところ。

現実、ここにこんな曖昧な文章を書いている僕がいて、それを読んでいる人がいるだけで頭が少しぐにゃぐにゃする。それは夢がいくらか混ざっているからである。僕がこんなところに曖昧な文章を書いているのは、これは恥である。それをさせているのは何らかの情熱だろう。恥が現実に穴を開け、夢がそこから這い出てくる。それを捕らえてしまったところで、何がどうなるわけでもないが、ここで強引に具現化することで、時間を左右させるくらいの、つまり将来を変える力が生まれるかもしれない。